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意外と知らない、縮みの原因

好評をいただいております、「きものエアリング」(虫干し代行サービス)では、おきものの状態を細かく点検しています。

たくさんのチェック項目がある中で、よく目につくのが「縮み」、「丈袋」。特に多いのが、裾から比翼が出ている状態の黒留袖や色留袖。


これらは、着用時の汗によるものや、保管時に湿度にさらされた、またクリーニング時の乾燥温度が高かった事や仕上げの蒸気が残っていたなど原因は様々です。更に、裏地や比翼地との収縮率も違うため必然的に発生してしまうのです。

しかし、根幹的な原因は「仕立て」にあります。と言っても縫製ではなく、その前の「地詰め」の不足によるもの。


仕立てをする前に生地目や巾を揃えるために湯のしをしますが、この工程で生地がタテにもヨコにも少し伸びています。この事自体は悪くはありませんが、この伸びた生地をアイロンやコテの熱で生地の目を詰めていく作業が必要なのです。これが「地詰め」です。

湯のしで伸びた状態のまま=縮みやすい生地となり、仕立て上がってから、わずかな湿気や熱で生地の目が詰まりやすくなるのです。


地詰めが甘かったり、なされてないのには仕立ての納期短縮があるのではと感じています。

地詰め作業には時間と手間を要します。至急品に限らず、効率的に縫製業務をこなすことにより、事前の準備がおろそかになっていたのではないでしょうか。


この事を知っている和裁士さんは、地詰めだけではなく、長くお召しいただけるよう様々な工夫や努力をされています。




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